「MEN’S EX」編集長・平澤香苗<br>「ファッションのルーツを辿る旅のお供に」<br>第二の皮膚のように寄り添う、ウォーキングのパートナー 「MEN’S EX」編集長・平澤香苗<br>「ファッションのルーツを辿る旅のお供に」<br>第二の皮膚のように寄り添う、ウォーキングのパートナー

#Story 2022.10.27

「MEN’S EX」編集長・平澤香苗
「ファッションのルーツを辿る旅のお供に」
第二の皮膚のように寄り添う、ウォーキングのパートナー

20年に亘り歴史あるメンズファッション誌の最前線で働きながら現在は「MEN’S EX」誌の編集長として独自のスタイルを貫く編集者・平澤香苗氏。モノづくりの背景にある作り手とのやりとりを常に大切にしているという平澤氏の足元に寄り添うのは「第二の皮膚」とも形容するPEDALA。
TPOに合わせて選び抜かれた着こなしはもちろん、選ぶアイテムはその背景にある出会いから身に纏うまでのストーリーも含めて大事にしたいという平澤氏にPEDALA、そして靴選びへの思いについてお話を伺った。

連載「WALKS」でもお話しを伺った平澤氏。編集者という職業柄、気になるものは見に行かずにはいられない性分。取材で訪れる日本全国の洋服の作り手や工場はもちろん、国外へも直感に従って気になる場所があれば迷わず足を運ぶ。中でも年に2回行われる展示会がきっかけで訪れるようになったイタリアは、赴くたび訪れたい場所やテイラーを発見し、年々奥深さが増しているのだそうだ。取材当日に着ているシャツも、ナポリの路地裏にあるシャツ屋さんでオーダーしたもの。オーダーメイドの洋服を選ぶのには理由がある。

「身に纏うもので一番大事にしているのは出会い方も含めて愛着が持てるかどうか。海外で知らぬ街中で一生懸命探して、ちょっと怖い思いをしながら買ったものや、テイラーとの会話を通じて自分だけのために仕立ててもらった洋服。そういうものはやっぱり捨てられないですね。ファッションだとトレンドごとに買い足していくような選び方もあると思うのですが、イタリアだとおじいちゃんの代のジャケットをお直ししてお父さんが着て、それが孫に引き継がれるということも自然に行われていたりする。洋服だけではなく靴も時計もできれば20年、30年先まで使い込むほどにその人の生き様が現れてくるような、そんな着こなしのできる大人でありたいなと思いますね」

「『オーダーメイド』と聞くと、慣れていない人はハードルがあるように感じてしまうかもしれないのですが、私が服をオーダーする理由は、何より快適に過ごすため。イタリアではよく着心地の良い服のことを『第二の皮膚』と表現したりするのですが、ジャケットもシャツもシューズも、選ぶ基準は自分の身体にフィットしているかに尽きます。靴は特にどんなに可愛くてもかっこよくても、足に負担があると途端に歩くのも辛くなってしまう。今日履いているPEDALAは私の足にフィットしていて、履いている感じがしない、まさに『第二の皮膚』にふさわしい感じ。とても軽いので街歩きにおすすめですし、出張先や旅行先にもカバンに入れて持ち運べるのが良いですね」

シーズンごとに移り変わりの激しいファッション業界を間近に見ているからこそ、これからの時代はトレンドではなく、時代を超えて自分の身体にフィットする良いものを選んでいきたい。そして昨今では後継者不足が問題になりつつあるという日本各地の縫製技術や紡績工場にも足を運びながら、身に纏うものひとつひとつを吟味し、歴史を辿ることが、自然と、文化を継承していくことに繋がるのではと平澤氏は考えている。

「残っているものがあるというのは、それを守り続け、受け継いできた人がいるということ。日本各地には、布地が作られる前の紡績技術や縫製技術、染色技術など、公に知られていない素晴らしい工場や職人さんがたくさんいます。長く続いているブランドやメーカーさんを訪れると、アーカイブルームのような場所に素材のストックが一覧できるように並んでいたりするのですが、脈々と受け継がれてきた歴史を垣間見て、グッとくるんですよね。いつか鳥取の方にあるアシックスさんの工場も訪れて、実際のソールや中身の構造についても見てみたいです。来年で雑誌『MEN’S EX』も創刊30周年を迎えます。これからも、まだ訪れたことのないさまざまな土地にPEDALAのシューズで足を運んで、モノづくりの根底にある歴史を深掘りしていきたいですね」

PROFILE

平澤香苗
1977年生まれ。世界文化社に2000年入社後、20年間メンズ誌畑一筋。2007年までBegin編集部、2008年よりMEN’S EX編集部。2013年に『MEN’S EX』副編集長、2017年に『MEN’S EX ONLINE』編集長、2020年9月より『MEN’S EX』『MEN’S EX ONLINE』編集長。イタリアはじめ豊富な海外人脈を生かした「ピッティ・ウォモ」での速報ポストやMEN’S EX ONLINEでの速報レポートも人気。2022年4月『時計Begin』編集長も兼務。
Photo:Sogen Takahashi
Edit+Text:Moe Nishiyama