CORTHAY×ASICS RUNWALK with PIERRE イベントレポート<br>伝統と革新が融合した、アート作品のようなRunwalk CORTHAY×ASICS RUNWALK with PIERRE イベントレポート<br>伝統と革新が融合した、アート作品のようなRunwalk
フランスの人間国宝がデザインしたRunwalk
ASICS RUNWALK & CORTHAY

#Story 2023.10.31

CORTHAY×ASICS RUNWALK with PIERRE イベントレポート
伝統と革新が融合した、アート作品のようなRunwalk

アシックスはフランスの高級靴ブランド「CORTHAY(コルテ)」とコラボレーションしたシューズの発売を記念し、 「CORTHAY × ASICS RUNWALK with PIERRE」と題したローンチイベントを2023年10月6日に開催しました。当日はブランドのクリエイティブディレクターとして活躍するピエール・コルテ氏も参加。ピエール氏へのインタビューとともに、イベントの様子をレポートします。

フランスと日本、伝統と革新の融合

イベントレポートの前に、コルテについて紹介します。コルテは1990年にパリのヴァンドーム広場の地域で誕生したフランスの高級靴ブランドです。創設者はクリエイティブディレクターであるピエール・コルテ氏。16歳でフランスの伝統職人養成ギルドに入り、その後はジョンロブ、ベルルッティなどのメゾンで経験を積みつつ、独自の靴づくりを追求してきました。

自身の名前を冠したブランドのコンセプトは「伝統と革新の融合」です。フランスの高級靴製造の伝統を継承しながら、革新的なデザインと先進技術を高い次元で融合。洗練された美しさと高い品質を兼ね備えた唯一無二のシューズは世界各国のセレブリティを魅了し、コルテ氏は2008年にフランス文化省より人間国宝を受賞しました。

そんな生きる文化財として評価されるコルテとアシックスウォーキングによる特別なシューズを披露するためのイベントが開催されました。会場には今回発売された2つのモデルを全色展示。ベースになっているシューズは、「走れる革靴」というコンセプトを掲げるアシックスウォーキングの「Runwalk(ランウォーク)」シリーズです。

〈RUNWALK EN PISTE CLASSIC 244LX〉はアッパーのダイナミックでクリーンな傾斜が特徴的なレザーシューズ。コルテの代表モデル「アルカ」の「クラシックカーのボンネット」と称される流線形のシルエットとRunwalkの履き心地の良さが融合しています。

アッパーにはフランス産の上質な原皮のキップレザーを使用し、濃淡を効かせた仕上げに。美しいシェイプやサイドの優雅なカーブを際立たせるためのアプローチです。サイドのパーフォレーションはコルテならではのギミックです。大小の穴を組み合わせたパンチングによって、アシックスストライプを調和するように表現しています。

ソール部分はアシックスの技術のオンパレード。Runwalkの代表モデル「WR819P」と同じタイプのソールには、歩行時の足への負担を軽減する衝撃緩衝機能「GEL(ゲル)」や歩行時の足のねじれを軽減する樹脂パーツを搭載しています。そして、靴底のかかと部のすり減りやすい部分には耐摩耗性に優れた「AHAR(エーハー)ラバー」を配し、歩きやすさを提供するためのテクノロジーが注がれているのです。

〈RUNWALK EN PISTE HYBRID 245LX〉はドレスアップとカジュアルダウン、どちらにも対応できる全5色のレザースニーカーです。アッパーはフランス産の上質な原皮のキップレザーを採用し、パーツの切り替え部分にカラーの濃淡をデザインすることでエレガンスを演出しています。ライニングに防水透湿性に優れた「ゴアテックスファブリクス」を採用しているため、雨の日も活躍してくれます。

ミッドソールには、上質感を演出するために細かいエンボス模様をデザイン。さらに、クッション性と反発性に優れた素材とかかと部に搭載した「GEL」が快適な歩行をサポートします。アウターソールはスムーズな体重移動と屈曲性を考慮した構造で、耐摩耗性に優れた「AHARラバー」を採用しているほか、フィット感とクッション性に優れた中敷を使用したやわらかな履き心地も特徴的です。

細部まで丁寧に仕上げるこだわりと、スポーツシューズの開発から培った独自の機能性や快適性。コルテとアシックス、それぞれの真骨頂を来場者たちは確かめていました。

光り輝くRunwalkで、未来への一歩を踏み出そう

今回のイベントでは、コルテの東京と大阪のストアで行われているシューシャインのデモンストレーションを実施しました。靴職人のアトリエに見立てた特別スペースでは、実際にストアのスタッフが靴磨きを行い、その技術の高さは思わず感嘆の声があがるほどに素晴らしいものでした。

つま先部分を起点に広がる鏡のような輝きはコルテの代名詞です。部位によって道具を使い分けて丁寧に仕上げていきます。数時間にも及ぶ緻密な作業によって生まれる、まばゆい光沢。磨き上げられたシューズはアート作品のように唯一無二の存在感を放ちます。

そして、この日のために、ピエール・コルテ氏本人がパリから来日しました。アシックスウォーキングとのコラボレーションにまつわるインタビューをお届けしましょう。

――今回のコラボレーションにあたり、アシックスからのオファーをどう思いましたか。

私にとってアシックスは品質と技術の素晴らしい世界的な存在であり、今回のオファーはとても光栄なことでした。アシックスのようなスポーツブランドとの協業は滅多にないことですし学ぶことが多く、コラボレーションを熱望しました。

――Runwalkはその名のとおり、「走れる革靴」をコンセプトにもちますが、どんな印象の革靴だととらえていますか?

「走れる革靴」というコンセプトは、未来に向けた素晴らしいアイディアですね。これからの時代、特に大都市の生活では汎用性の高い商品が求められるので、Runwalkのコンセプトはトレンディな考え方だと思います。今日、私が履いているのは、実際にアシックスランウォーク銀座で手に入れたRunwalkです。この快適さは素晴らしいですね。

――靴に限らず、日本のものづくりにはどんな印象をもっていますか?

東京の街を眺めていると、マンションやビル、郵便ポストまで、細部にわたるデザインが配慮されていると思います。その一方で、伝統的な道具に宿る美意識にも興味がありますね。特に気になっているのは料理道具で、今回の来日では包丁を買って帰りたいです。

――CORTHAYはコンセプトに「伝統と革新の融合」を掲げています。今回のプロダクト2モデルでは、どのように表現されていますか?

このプロジェクトにコルテとアシックス、それぞれのベストを注ぎ込みました。伝統的なモデルに対するコルテの感性と、スポーツシューズにおけるアシックスの専門知識、プロセスの高い技術など、それらの融合をぜひ体験してほしいです。

――プロダクトネームに含まれている「EN PISTE」はどんな意味が込められていますか?

「さあ、いこう!」という意味の古くからある表現です。私たちはこの言葉に「一歩を踏み出そう」というエネルギッシュなメッセージも込めています。

――この2つのモデルはどんな人やシーンで履いてほしいですか?

エレガントで履き心地がいい靴なので、さまざまな場面で履ける靴を求める現代のビジネスパーソンでしょうか。コルテのクラフトマンシップを語ると一冊の本が出来上がってしまいますが(笑)、多くのシーンでコルテとアシックスの伝統と技術を実感できるはずですよ。このプロジェクトの“一歩”も始まったばかり。これからの展開に期待していてください。

Photo : Sogen Takahashi
Edit+Text : Shota Kato(OVER THE MOUNTAIN)