子どもたちの健やかな足の成長を守り、応援するスクスクがお届けする、親から子へと想いをつなぐスペシャルインタビュー。今回登場するのは、アナウンサーを経て、フラワーアーティストへと転身した前田有紀さん。アーティストとして第一線で活躍しながらフラワーショップも経営。チームのスタッフを束ねながら、プライベートでは6歳と2歳の二児の母として子育てと向き合う多忙な毎日を送っています。最近では児童養護施設への花の寄付などの活動にも取り組みはじめたという前田さんに、仕事と子育て、そして子どもとの日々のくらしについて伺いました。
自分が好きなことをしたら、
どのような表情をする?
輝く自分を見てみたいと転身を決意
――テレビ朝日のアナウンサーという華やかな職業から、フラワーアーティストという全く異なる業種の仕事へ転身されていますが、そのきっかけを教えてください。
子どもの頃から自然が好きで、自然に関わる仕事がしたいという憧れがあったんです。アナウンサーとしての仕事はとても充実していましたし、やりがいもありました。でも、そんな中でも、緑や花に関わる仕事で自分にできることはないかと模索していて。いろいろ調べていく中で、やはりそういった分野の仕事に挑戦してみたい、と強く思うようになりました。アナウンサー時代、アスリートの方に取材する機会が多かったのですが、マイクを向けると、みなさん目がキラキラとしていてとても素敵なんです。「ああ、好きなことを仕事にしているとこんなに目が輝くんだ」と感動しました。同時に、「自分が好きなことをしたときに、私はどのような表情をしているのだろう、輝く自分を見てみたい」と転身を決意しました。
――32歳でフラワーアーティストとしての道を歩きはじめたとのことですが、イギリスのガーデナーへ修行に行かれたり、日本の花屋さんで働いて、経験を積んだそうですね。
はい。それまでは、高校、大学、就職……といわゆる一般的な道をレールの上を歩くように進んでいましたが、花に関わる仕事を選んだ以上、自分で道を切り拓かねばならない。知りたい、学びたいことがあるのだから、迷わず突き進むしかない。という感じで日々、がむしゃらに動いていました。イギリスに半年間留学した後、日本の花屋さんでも修行をしたのですが、改めて「自分は井の中の蛙だったんだな」とも感じたんです。10年間アナウンサーをしていたので、自分は社会的常識もあると思い込んでいた。でも、いざ花屋さんで働いて、いろんな仕事を任されると自分ができないことばかりだと気づきました。レジの打ち方、お金の管理、花の梱包の仕方……当たり前に自分ができるだろうと思っていたこと、ひとつひとつに学びがあって。30代で修行をすることで、それに気づけただけでも本当によかったと思っています。また、花屋さんでの修行中に、そのお店のオーナーの方が「独り立ちして食べていけるまでの仕事を教えてあげるから」と言ってくださったのもとても励みになりました。
――3年の修行期間を経て、個人事業主として、ご自身のブランド「SUDELEY」を開業したのが2016年。当時、ご長男を妊娠中だったというのを聞いて驚きました。
そうなんです。花屋さんは体力勝負。妊娠の体調不良で店頭に立てないことも多くて……でも今、この仕事を休むわけにはいかない、コマをひとつでも進めたい。だったら自分のペースでいいから独立の準備を進めようと決めました。出産や育児で社会生活を一旦ストップする人も多いと思いますし、母体の状態も人それぞれ、いろんな選択があると思います。ただ、私は当時、花の仕事がすごく楽しかったんです。やっとスキルも身についてきた時期だったので、ここでどうしても止まりたくなかった。時間があるなら少しでも花を束ねていたいし、花に触れていたい。大変なことも多かったですが、“やりたいことだけ”をベースに仕事を受けることで自分に負荷をかけすぎないようにしました。できないことは、きちんと言って率先して助けてもらう。今、働いているスタッフはその当時、出会ったメンバーがほとんどで、そういう経験を経て一緒にいるのでとても信頼があります。息子が生まれてからもベビーカーに息子を乗せて装飾の現場にいくこともしょっちゅうでした。合間、合間に「ちょっと授乳してきます」ってトイレで授乳をすることもありましたね。
仕事の現場で
「自分が我慢するのはやめよう」と思った
――出産・育児と仕事の両立で悩むお母さんたちも多い中、前田さんの選択が励みになる方もいると思います。
我慢するのはやめよう、と思ったんですよね。仕事の現場に「子どもを連れて行きます」なんて言うなんて非常識だ、と自分で自分に蓋をしてしまわない。そういう意識を取っ払って、ぐいぐい進んでいったら意外といいリアクションをみなさんからいただけた。ラッキーだったのかもしれませんが寛容な現場が多くて助かりました。子育ても仕事も、どちらかのためにどちらかを我慢する必要はなくて、無理だと諦めるより自分でなにを切り拓けるか考えて行動してみることが大事なのではないかと思いました。
――その後、二人目も妊娠・出産。お母さんの仕事を間近で見て育っている息子さんたちは、前田さんの仕事をどのように受け止めていますか?
長男も次男も私の仕事を理解してくれていて、周りに「お母さんは、お花屋さんなんだよ!」と誇らしく語ってくれるのがうれしいです。長男は吸水用の保水ゼリーを作るなど、作業を手伝ってくれますし、次男は花の名前を次々と覚えています。また今、鎌倉に住んでいるので自然環境も豊かで。自然好きに育ってくれたらうれしいなと思っています。
――鎌倉での暮らしはいかがですか。
鎌倉というと海が近いイメージですが、実は山がいっぱいあるんです。子どもの足でも歩ける散歩道がいくつかあるので、家族でよく歩いています。好きなコースは鎌倉から北鎌倉へと抜けるルート。息子たちは保育園や小学校でも山歩きをしているので、私より歩くのが上手です。「そこの木の幹は滑りやすいから気をつけて」「ここはこの枝を掴んで渡るといいよ」なんてアドバイスをしてくれます。
――そういうお散歩のとき、息子さんたちがアシックスのキッズシューズ、スクスクを履いてくださっていると伺いました。
はい。我が家では、ファーストシューズからスクスクを選んでいます。出会ったのはデパートの靴売り場で。最初の靴選びは、何を買えばいいのか右も左もわからないじゃないですか。そこで販売員の方が足の成長に合わせてサポートをしてくれるスクスクをおすすめしてくれたんです。ファッション優先で選ぶことが多い大人の靴と違い、子どもの靴は成長に応じて対応していかないといけないということを知りました。ソールの厚みや、かかと周りをきちんとサポートしてくれて歩きやすいもの。そういった機能性がしっかり確立されていて、デザインも良く、いいなと思いました。あとは、履いてみて息子たちがとても気に入ったこともとても大きかったです。1歳のころから靴を履いて歩くことがすごく好きになり、玄関で靴を履いて待っているようになったんです(笑)。それからはずっとスクスクのシューズを選んでいます。
――靴を買うときには、必ず息子さんたちも一緒に買いにいくそうですね。
靴は日々履くものですから。自分の選んだものだと思うと、より一層愛着が湧くだろうなと思って一緒に選ぶようにしています。最近愛用しているのは、メッシュ素材の「AMPHIBIAN」シリーズですね。通気性がいいし、脱ぎ履きしやすい、親にとってもありがたい一足です。
自然を慈しむ気持ちを
子どもたちだけではなく、多くの方に伝えたい
――スクスクは環境に配慮したペットボトル由来の再生ポリエステルを積極的に商品に採用していますが、前田さんも花を通して環境について考えるきっかけを得たと伺いました。
はい。花の仕事をすることで自然の変化を自分ごとで感じられるようになりました。気温が上昇すると花の開花時期も変わります。ここ数年で、季節の花の出荷がだいぶ変わってきていると肌身で感じています。2023年も桜の花が例年よりだいぶ早く出荷されていました。そういうことに触れると、アナウンサー時代に天気予報を読むだとか、地球温暖化についてのニュースを読んでいたときとは、また違う危機感を覚えます。より当事者として、なんとかしなくては、と考えるようになりました。
――具体的にはどのような取り組みをされていますか?
まず花そのもののロスをなくすこと。私たちの事業では売れ残ってしまったけれど、まだきれいで楽しめる花を、渋谷区の子育て養護施設や目黒区の児童支援施設に寄付させていただいています。また、花の梱包には多くのプラスチック素材が使われているんですね。段階的にですが、それらの使用量の削減を進めています。花の定期便をお送りする方には100%プラスチックフリーのお米でできた袋を梱包に使うなど工夫をしています。できることから変えていけたらと思っています。
――大切なことですね。
花の裾野をもっと広げていきたいんですよね。自然を慈しむ気持ちを、子どもたちだけではなく多くの方に伝えられたらと思っています。そういう気持ちが今の環境を守ろうという意識にもつながるのではないかと思います。そのためにも、もっとみなさんに気軽に花を飾ってほしい。30代で起業をして、今40代です。これからは社会に対して力になれる活動をもっと増やしていけたらと思っています。とはいえ、日常は子育てと仕事で毎日ドタバタしています(笑)。何をするにも時間が足りないし、多くのお母さんと一緒で「早くしなさい!」と怒ってしまうこともしょっちゅう。すべて完璧にできる母親ではまるでないなと思うことも多いです。でも、好きなお花の仕事に出会えたから頑張るしかないな、と日々奮闘しています。
PROFILE
Interview & Text : Kana Umehara
Styling : Chinatsu Tokunaga
Hair & Make up : Hikari Yamashita
衣装:ワンピース・カットソー/インターリブ(サクラ)