大人以上に汗をかきやすく、皮膚が繊細な子どもたちの足。そんな子どもたちの足のためにスクスクでは特殊素材GORE-TEXファブリクスを搭載したシューズを開発しています。今回は日本ゴア合同会社でGORE-TEXブランドのマーケティングを務める平井氏に、GORE-TEXフットウエアの知られざる魅力を紹介いただきました。
雨などの水の浸入を防ぎ、汗によるムレを逃す
GORE-TEXフットウエア。
「GORE-TEX」という言葉を聞いたことのある方も多いかと思いますが、具体的にどういうものなのか、どのような機能があるのか、というところまではまだまだ知られていないかもしれません。ひとくちに「GORE-TEX」といっても、実は段階によっていくつかの呼び名があります。まずはコア技術となるのが「GORE-TEX メンブレン」。一見、一枚の膜に見えるメンブレンは、電子顕微鏡で拡大するとクモの巣のような組織が何層にも重なり合う多孔質構造をしていてとても細かい孔を無数にもっています。
その孔のひとつひとつが水滴より遥かに小さく、水蒸気分子より遥かに大きいサイズをもつため、雨水の浸入を防ぐ防水性と汗によるムレを逃がす透湿性の両立を可能にしています。このメンブレンに表生地と裏地を貼り合わせたものが「GORE-TEX ファブリクス」で、シューズにはファブリクスを袋状に加工したものが靴の内部に搭載されています。GORE-TEXファブリクスの靴下が入っているようなイメージですね。
GORE-TEXファブリクスは、水の浸入を防ぎ、汗によるムレをすばやく外に出す高機能素材ですが、ごく稀に「子ども靴にそんな高機能素材は必要ないのでは?」と言われることがあります。ですが私は、むしろ子ども靴だからこそGORE-TEXフットウエアの特性が存分に発揮されると思います。子どもの足は小さい分、汗腺が集中しているので汗をかきやすいこと、汗でムレてしまったり、雨に濡れてしまうと皮膚のやわらかい子どもはすぐに足の皮膚にトラブルが生じてしまうことなどがその理由です。また、すぐに泥や水などで汚れてしまう子ども靴ですが、GORE-TEXフットウエアなら外側だけを洗い流すことができるので、乾かして次の日には履けるという利点もあります。泥や砂ぼこりが靴の中に入らないので靴下が汚れにくいのも親御さんにはうれしいポイントですね。GORE-TEXファブリクスは洗剤洗いもOKですのでアシックスの推奨する洗い方に準じていただければ日常的にお手入れが可能です。
私たちゴア社は「ひとつの製品を長く使い続けていただくことが、環境負荷を下げるためには重要である」と考えています。もちろん素材や製造方法なども日々改善し、より良いものを目指していますが、サステナビリティに対する基本的な考え方は変わりません。スクスクのシューズは、ゴアの厳しい品質基準とアシックスのスポーツ工学が融合した素晴らしいパフォーマンスをもつ製品。両社の技術を高めあいながら、これからも子どもたちの足元を支え続けられればと思います。
PROFILE
ファブリクス・ディビジョン
GORE-TEXブランド マーケティング
平井 康博 氏