薬膳の考え方を取り入れたメニューで、おいしくカラダをサポートして。
WALK ON YOUR COLOR
#05 HEALTHY RECIPEES FOR WALKING
カラダの調子を整える、ウェルネス薬膳レシピ3選。

#WELL-BEING 2022.08.30

薬膳の考え方を取り入れたメニューで、おいしくカラダをサポートして。

ウォーキングとビューティの関係を紐解く、ビューティライターAYANAの連載「WALK ON YOUR COLOR」。毎回テーマを変え、ウォーキングというフィルターを通してキレイのヒントを探ります。
第5回はカラダの調子を整える薬膳レシピ。快適なウォーキングのためには、しなやかでヘルシーな身体づくりをぜひ意識してみて。よくある3つのお悩みにあわせて、簡単に作れるメニューを薬膳指導員の料理家・松島由恵さんに伺いました。

●「薬膳」っていったいなに?

漢方やマクロビオティックなどのように、なんとなく体に良さそうな「薬膳」。でも、少し難しそう、とっつきにくそう、生薬などの特殊な食材が必要なのでは……そんな印象をもっていませんか?実は身近にあるものを組み合わせて、おいしくておしゃれな一皿を簡単に作ることができます。

薬膳では、中国の伝統医学「中医学」に基づき、未病(病気というほどではないが、なんとなく体調がすぐれない状態)に着目。[食材がもつ4つの性質=四性]×[5つの味=五味]を組み合わせ、傾いたバランスをチューニングし、快適な状態へと促していきます。

[四性]熱性、温性は体をあたため、寒性、涼性は体の熱を取ります。たとえば冷えが気になるときは温熱性、乾燥が気になるときは寒涼性をチョイスし、バランスを取ります。
[五味]酸・苦・甘・辛・鹹の味があり、それぞれが五臓(肝・心・脾・肺・腎)に対応。それぞれに独自の働きがあります。

今回は、季節を問わず感じやすい不調にあわせて「デトックス」「乾燥対策」「冷え対策」のメニューを、料理家・松島由恵さんに考案いただきました。ぜひ、おいしく調子を整えてみてください。

●デトックス:ひよこ豆とキウイのマリネ

「余分なものを溜め込まず、カラダの外へしっかり排出できるよう、水の代謝を促すきゅうり、熱を下げるキウイ、腸の働きを整えるピーナッツとひよこ豆を使ったメニューです。消化吸収機能を司る「脾」に働きかけるのは甘味なので、甘味をもつ食材を多く選びました。カラダを冷やしすぎないよう、温性のみょうがを入れてバランスを取っています」(松島さん)。

材料(2~3人分)

ひよこ豆(水煮・缶詰でも可):100g
きゅうり(角切り):2本
キウイ(角切り):2個
えのき(1~2cmにカット):200g
ピーナッツ(粗く砕いておく):30g
すだち(薄くスライス):1個
みょうが(千切り):2本

A)
オリーブオイル:大さじ1
クミンパウダー:小さじ1/4
塩:小さじ1/4
酢:大さじ1

作り方

1/ひよこ豆はザルにあげて、水気をしっかり切っておく。
2/えのきを沸騰したお湯で30秒ほど茹でたら、ザルにあげてそのまま冷まし、水気を切っておく。
3/1と2、きゅうり、キウイを器に盛ったら、よく和えたAを回しかけ、味をなじませる。その後ピーナッツ、みょうが、すだちを加え全体を混ぜたらできあがり。

●乾燥対策:梨とクレソン、イワシのサラダ

「肌乾燥を防ぐためには、体内の水分を補う必要があります。夏に汗などで失われた「津液」を補う食材として、梨とレモン、エリンギ、蜂蜜、クレソンをピックアップ。うるおいを逃さないカラダを作っていきます。また、秋口に肌が乾燥してくるのは、夏の疲れが残っていることも原因のひとつ。元気を補う「補気」の食材、イワシを使いました」(松島さん)。

材料(2~3人分)

梨(食べやすい厚さにスライス):1個
イワシ(お刺身用 3枚おろしに):3尾
クレソン:20本くらい
トレビス(あれば。ない場合はそのぶんクレソンを増やして):2~3枚
エリンギ(縦にスライス):2本
オリーブオイル:大さじ1
レモン:1/2個

A)
オリーブオイル:大さじ1
蜂蜜:小さじ2
塩:小さじ1/2

作り方

1/フライパンにオリーブオイルをひき、中火で両面に焼き目がつく程度にエリンギを焼く。焼き目がついたら粗熱をとっておく。

2/1、クレソン、イワシをAでよく和え、レモンを絞る。

3/梨を加えて、さっくり混ぜ合わせたらできあがり。

●冷え対策:かじきと海老のにらクルミソース

「冷えやすいカラダは「腎」から冷えてしまっていることが多いんです。「腎」とは、体内に生きるエネルギーを蓄える役割をもっています。ここを温めて、動力を作っていくことが肝要。海老、かじきまぐろ、カリフラワー、クルミ、にらはその役割をもっています。また、気を補うのがアスパラ、気を巡らせるのがクミンです。エネルギーをまわして、根本から冷えにくいカラダに!」(松島さん)。

材料(2~3人分)

かじきまぐろ(一口大に切る):2切(約180g)
海老(背腸をとっておく): 8尾
カリフラワー(小房に切っておく):1/2株(約350g)
アスパラ(2~3cmに切る):6本
ごま油:大さじ2
紹興酒(または料理酒):大さじ2
塩:小さじ1/2

A)
にら(みじん切り):2本
クルミ(細かく砕いておく):20g
クミンパウダー:小さじ1/2
ごま油:大さじ3
にんにく(すりおろしておく):小さじ1/2
塩:小さじ1/4

作り方

1/かじきまぐろは塩(分量外:小さじ1/2程度)を振って下味をつけておく。
2/フライパンにごま油を半量ひき、1を焼く。両面に焼き色が付いたら取り出しておく。

3/同じフライパンにごま油をもう半量ひき、カリフラワー、アスパラ、海老を中火でさっと炒める。塩をふり、紹興酒を回し入れたら蓋をして弱火で2〜3分蒸し焼きにする。

4/2と3をあわせて盛り付け、よく混ぜたAをかけたらできあがり。

日々の食事を上手に利用して、カラダのバランスをとり、健やかに秋を迎えましょう。

Photo:Hiyori Ikai

PROFILE

松島由恵 
料理家。建築業界で長年勤務した後、フランス料理店で経験を積み、『Dora The Food』を開業。ワイン飯を主軸にケータリング、レシピ監修などで活躍中。JSA認定ソムリエ、薬膳指導員。今年3月に初の著書『「いつものお弁当」がスパイスで大変身!スパイス弁当』(パルコ出版)を上梓、好評を博している。新刊『キノコのレシピ帖』(パルコ出版)8/29発売。

PROFILE

AYANA
ビューティライター。コラム、エッセイ、取材執筆、ブランドカタログなど、美のために生み出されたモノや美に携わる人々についての執筆を行う。化粧品メーカー企画開発職の経験を活かし、ブランディング、商品開発などにも関わる。2020年より、文章講座EMOTIONAL WRITING METHOD(#エモ文)を始動。OSAJI メイクアップコレクションディレクター。近著にエッセイ集『「美しい」のものさし』(双葉社)がある。