健康のためにウォーキングをしているけれど、歩くたびに腰の不快感が出てしまう…という方がいるかもしれません。日頃の姿勢の悪さが影響し、腰に大きな負担をかけてしまっている場合があります。とくに女性は、筋力の弱さやヒールのある靴を履くなどの影響から〈反り腰〉になりがち。骨盤が前に倒れ、腰が必要以上に反ってしまう〈反り腰〉は腰に大きな負担をかけ、下半身太りやX脚(内股)にもなりやすくなってしまいます。
シリーズ2回目の今回は、そんな腰のお悩みを改善するマッサージとストレッチをウォーキング・コーチの豊川月乃さんに教えていただきます。
今回のお悩みは「〈反り腰〉を改善したい」です。
一見、正しい姿勢のようにも見える〈反り腰〉ですが、痩せ型なのにお腹がぽっこり出ていたり、腰に不快感があったり、脚の腫れが引きにくかったりする場合〈反り腰〉の可能性大。まずはセルフチェックをして自分の腰の位置をチェックしてみましょう。壁に頭・背中・お尻・かかとをつけてまっすぐ立ってみましょう。壁と腰の間に手を入れて、隙間の広さを確認します。自分の拳がすっぽり入ってしまうくらい開いていれば反り腰の可能性が高いです。美しい歩き方を目指すなら、まっすぐに骨盤を立てる事が、まず第一歩になりそうです。
「腹筋が弱い女性は骨盤が前に倒れてしまう〈反り腰〉になりやすいんです。骨盤が前に倒れてしまうことで鼠蹊部(そけいぶ)を圧迫して、リンパや血流の流れも悪くなる。だから、脚が腫れやすくなったり、冷え性になったりも。大事なのは、倒れすぎている骨盤をしっかり上向きにし、つまりを取ること。ただ、〈反り腰〉の方は、長年の積み重ねで腰まわりの柔軟性がなく、固まってしまっている可能性が大きい。急に強めの筋トレやストレッチをすると逆効果で、腰に余計に負担をかけてしまいます。まずは、腰まわりをゆるめるマッサージからはじめてみてください」
やわらかくほぐす〈腰マッサージ〉
1 まっすぐ立ち、背中をマッサージする。尾てい骨のあたりから肩甲骨に向かって、背骨に沿うように上へマッサージしていく。
2 手を軽く丸め、ゴリゴリと固まりをほぐすようにする。
3 次に、両手を腰に当てて腰まわりのマッサージも。
4 ツボを押すように親指をしっかり入れ込み、痛気持ちいいくらいでしっかり押し込む。
1日10分程度、繰り返す。
「マッサージをするのは朝の時間帯がおすすめです。1日の活動をはじめる前に腰をほぐしておくことで、腰の不快感や違和感の予防になります。腰のストレッチをする際も事前に必ずこのマッサージをして腰をほぐしておくことをおすすめします。また、このマッサージの時点で腰に違和感が出る場合は、炎症を起こしている可能性が高いので、マッサージはせずに、まずは安静にしましょう。そのまま負荷の高いストレッチや筋トレをすると悪化させてしまうので避けてください」
腰の重さやだるさを改善する〈腰ストレッチ〉
1 両手を腰に当ててまっすぐ立つ。
2 上半身(頭)の位置は変えず、恥骨を突き出すように骨盤を前へ。
3 真ん中の位置に戻す。
4 今度は、上半身(頭)の位置は変えず、骨盤を後ろへお尻を突き出す。
5 真ん中の位置に戻す。
これで1セット、8セットを1日2回する。
「このストレッチをすると腰まわりがやわらかくなり、腰の可動域が広がります。それにより骨盤をしっかり立てることができるようになるはず。歩くときもお尻をしめて、お腹を引き上げてしっかり歩けるようになりますよ。ストレッチで骨盤を前後に突き出すのは、できる範囲でOKです。痛みがでない範囲ではじめてみてください。このストレッチは朝マッサージしたあとに続けてやるのもおすすめですが、お風呂上がりなど体がゆるまったタイミングでするのもおすすめです」
手を使ってやさしくマッサージしたり、ストレッチをじっくりと試すことは、自分の体の状態を知り体と心のケアをする第一歩。美しい姿勢や歩き方を実践する前に、まずは自分の体の不調としっかり向き合い、整えるマッサージやストレッチを実践してみてください。
Interview & Text : Kana Umehara