人は歩くときにそれぞれの人の“クセ”が出てしまうもの。間違った歩き方を長年続けていると、その蓄積から体にさまざまな不調が起きることも。見た目に美しく、体にも負担をかけない「正しい歩き方」を普段の生活の中で意識することが大切です。よくないクセがついているなら、正しい歩き方を知ってウォーキングしましょう。トップモデルのウォーキング指導をはじめ、これまで2万人を超える人の“歩き方”を指導してきた豊川月乃さんに、“お悩み別”に日々の生活に取り入れたい筋トレ&ストレッチや歩き方のコツを教えていただきます。シリーズ第1回目のお悩みは「O脚改善の筋トレ&ストレッチ」です。
今回のお悩みは「O脚(がにまた)を直したい」です。
足の形が美しく見えないだけでなく、筋肉が張る、骨盤が開きお尻や腰まわりにぜい肉がつきやすくなる…などデメリットが多数。とはいえ豊川さんのウォーキング教室でも訪れる方の8割はO脚の傾向が見られるとか。
「O脚になるのは骨格の問題ではないんです。筋肉のつき方の問題。多くの方は骨が歪んでしまっていると思い込んでいるかもしれませんが、筋肉をつける場所を変えればO脚は治りますよ。意識をしていないと人は体の外側に重心を逃してしまいがち。多くの人がO脚になってしまうのは、重心が外側に寄ってしまっているため、太ももの外側にある筋肉“外転筋”ばかり使っているからです。太ももの内側にある“内転筋”を鍛えると、膝をきゅっと閉じることができるようになり、骨盤も締まり、ぐっと内臓の位置もあがります。まずは、太ももの内側の筋肉を意識してみることからはじめましょう」
太ももの内側を意識する〈内転筋スクワット〉
1 肩幅よりやや広めに足を広げて、まっすぐ立つ。膝とつま先は外向きに。両腕は肩の高さくらいに広げてキープ。視線は自然と前を向く。
2 息をゆっくり吐きながら腰を落としていく。
3 無理なくできる一番深い位置でキープし、息を吐き切る。
この時、体重を親指側にかけるよう意識する。
4 お尻を締めて、息を吸いながら元の姿勢に戻る。
これを8回1セットで繰り返す。 1日2セットできればOK。
「腰を下ろしきったときに、内転筋に負荷がかかっているか意識できることが大事。最初コツがつかめなければ、内太ももに手を置いて場所を確認しながらスクワットをするのでもOKです」
足先にかかる体重の位置を意識する〈つま先立ち〉
1 頭、背中、おしり、かかとが壁に触れていることを意識してまっすぐに立つ。寄りかかるのはNG。
2 1の状態のまま、まっすぐ上に伸びるように、つま先立ちを1分間キープ。
1分1セットとして1日に3セット(合計3分)行う。
「足先のどこに体重が乗っているのかを意識しましょう。足裏の“母趾球”に立つ意識を持つといいです。さらに、膝をくっつけようと意識してみると、ふくらはぎの内側、太ももの内側の筋肉を使うことになるので、さらに効果的です。自然とそれができるようになったら、お腹も引き上げて、より上に伸びる意識をもつとさらに姿勢がよくなり、歩き方にも変化がでると思いますよ。〈つま先立ち〉は慣れてきたら、1日4分、5分と伸ばしていくのもおすすめです」
自分がO脚かどうかは、靴の裏のすり減り方を見れば一目瞭然。外側ばかりがすり減っていれば、それだけ体重のかけ方が偏っているということ。すり減りがひどくなれば、靴を履いて歩くときのバランスもそれだけ悪くなってしまいます。今回、教えていただいたのは、どちらもとても簡単なスクワットとストレッチ。ぜひ、日常に取り入れて、よりよい歩き方や足の健康を目指してみてください!
Interview & Text : Kana Umehara
PROFILE
とよかわ・つきの/モデルパフォーマー・TUKINO WALK代表。
有名女優・トップモデルから、小学生や70代の女性まで、のべ2万人の女性を指導した実績を持つ。 さまざまな職業を経て専業主婦になるも、 30歳でモデルにカムバックし、 雑誌やCM、TVやラジオなど幅広く活動を広げ、36歳で「東京コレクション」に出演。 2018年にはParisのUNESCO本部にて各国親善大使の前で美japonのコレクションに出演した。日本舞踊歴10年以上。 現在は「美のエキスパート」として各種メディアで活躍中。著書に 「美人養成専門学校48の教え」(サンマーク) 「ますますキレイになる人 どんどんブサイクになる人」(大和書房) などがある。