蔵の町と言われる須坂で体験した「なぞ解き×ロゲイニング」
“歩く”がエンターテインメントになった日。
NAZO TOKI×ROGAINING in SUZAKA NAGANO

#WELL-BEING 2021.12.21

蔵の町と言われる須坂で体験した「なぞ解き×ロゲイニング」

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オーストラリア発祥の「ロゲイニング」は、指定されたスポットを巡りながら得点を競う、“歩く”にスポットを当てた新感覚アクティビティ。そんなロゲイニングにさらになぞ解きなどのエンタメ要素をプラスさせたイベント「須坂まるごと体験!なぞ解き×ロゲイニング」が、長野県須坂市で開催されました。蔵の街とも言われる須坂を歩きつくして見えた、ロゲイニングの魅力をレポートします。

1976年にオーストラリアで生まれたロゲイニング

「ロゲイニング(ROGAINING)」は、1976年にオーストラリアで生まれたナビゲーションスポーツの一種で、コンパスとスタート前に渡される地図を頼りに、制限時間内で指定されたコントロールポイント(CP)を回って獲得したポイントをチームで競います。 「早くゴールすれば勝ち」ではないというのもロゲイニングの特徴のひとつで、走りながらひとつでも多くのCPをクリアしていくアスリート派もいれば、高得点が見込めるCPを効率的に回る頭脳派もいるなど楽しみ方もバラエティ豊か。体力や年齢を問わない生涯スポーツとして世界選手権が開催されるほか、日本でも徐々に広がりを見せています。 今回はそんなロゲイニングにエンタメ要素をプラスした「須坂まるごと体験!なぞ解き×ロゲイニング」に参加。“歩く”がエンターテインメントになった1日をリポートします。

舞台は須坂。美しい自然と重厚な文化が交差する町

11月3日、文化の日。舞台は長野県北東部にある須坂市。周囲を山に囲まれ、製糸業で栄えた明治時代の蔵や商家が今も立ち並ぶ、自然豊かで美しい街です。近年では「須坂まるごと博物館構想」と称し、市内に点在する文化財をはじめ、芸術、歴史、郷土食といった地元コンテンツを発信していくプロジェクトも展開。町がもつ本来の魅力を再発見しようという機運の高まりとも相まって、イベントには当初の募集定員を上回る130名もの参加者が集まりました。 そんな「須坂まるごと体験!なぞ解き×ロゲイニング」は、先述したロゲイニング本来のルールに則しながらも「なぞ解き」や「クイズ」、「文化体験」といったエンタメ要素をプラス。純粋な体力よりも知力やひらめき、チームの結束力がモノをいうイベントへとアレンジされています。参加者には「普段わざわざ歩かない須坂の街を、あらためて巡ってみたい」という地元在住の方も多く、車移動が当たり前となっている日常とは違う「歩くという非日常」に期待を膨らませていました。

いざ冒険へ!なぞ解きロゲイニングがスタート

9時35分。配布された「冒険指南書」と「マップ」を手に、130名が一斉にスタート。参加者はトレジャーハンターとして宝(須坂の観光スポット)探しをしながら、なぞ解きを通じて封印を解かれてしまった竜(竜が横たわった姿に見えるという臥(が)竜山(りゅうざん)に由来)を静める暗号を解読する……という重要な任務が課されています。 CPは臥竜公園を中心とする半径約2.5kmのエリアに22個所設置され、スタート地点からの距離や標高によって45〜250点のポイントを配点。また8つのスポットにあるクイズ、コースターや手提げ袋作りなど須坂にゆかりのある文化体験、暗号解読のためのなぞ解きなど、それぞれの要素がロゲイニングの加点対象となっています。 制限時間は3時間で、戦い方はチームによって実にさまざまです。CPからCPへ颯爽と駆け抜けていくランナー風の参加者もいれば、お寺や公園で休憩を挟んだり、回答用紙とにらめっこしてなぞ解きに全集中している人も。またCPとなっている信州味噌の老舗でお土産を選んでいる人、道中でたまたま見つけたお店の「たいやき」を頬張りながら歩いている人など、老若男女が思い思いのスタイルで須坂を満喫していました。 印象的だったのは、参加者同士がすれ違うたびに挨拶を交わしたり、なぞ解きやクイズについて情報交換をするといったシーン。通常の観光や車移動ではなかなかない出会いやコミュニケーションが生まれるのも、ロゲイニングならではと言えるでしょう。

須坂を歩き尽くした3時間。気になる結果は?

制限時間となる12時35分が近づくと、参加した37組のチームが続々とゴールに集まってきます。今回のイベントは紙ではなく、LINEをフル活用してポイント集計を行っていたためスピーディーに順位が確定しました。 栄えある1位を獲得したのは、本格的なランナースタイルでCPを次々とクリアした男性2人組。「頭が悪いのでなぞ解きは諦めて、ひたすら走りました(笑)」と会場の笑いを誘いつつ、りんごやぶどうといった須坂の物産品をゲット。続いては長野市から参加したご夫婦で、戦略をしっかりと組み立てて見事2位に入賞。賞品としてASICSのウォーキングシューズ「GEL-MOOGEE」が贈られました。 全く対照的なスタンスで参加した2組が1位と2位を分け合う「これぞロゲイニング」という結果になった「須坂まるごと体験!なぞ解き×ロゲイニング」。順位に関係なく、歩くことで見つけられた小さな発見に驚いたり、それを仲間と共有して会話を弾ませたり、好きなところで立ち止まって写真を撮ったりと、ロゲイニングだからこそ須坂の素の魅力に気づけたという参加者がたくさんいたのも印象的でした。 ひとつの町を舞台に、歩くことそのものがエンターテインメントとなった一日は、イベントを楽しみ尽くした充実感と心地よい疲労感とともに幕を閉じたのです。

「GEL-MOOGEE」を獲得したご夫婦に直撃!

「もともとなぞ解きが好きで、ネットでたまたま検索して見つけたのがこのロゲイニングイベントでした。普段からも夫婦で山登りなどはしますが、ロゲイニングは今回が初めて。歩きだけでCPをクリアしつつなぞ解きも全問正解できてとても楽しかったです(福田勝之さん)」 「主人がなぞ解き担当、私がルート担当と役割分担して歩きました。次はいただいたASICSのシューズで、またロゲイニングにチャレンジしたいですね(福田順子さん)」

主催者・大久保翔平さんが考えるロゲイニングの面白さとは?

「須坂市にある峰の原のスキー場で半年間働いていた時に趣味の散歩をよくしていたんですが、歩きながら見つけた何気ない景色や見落とされがちな町の魅力が、都会から来た私にはとても新鮮で。そうした「発見する楽しさ」をたくさんの人に知ってもらいたいなと何気なく考えていた頃に、たまたま知ったのがロゲイニングだったんです。 私たちが展開している「ファンロゲイニング」は、なぞ解きなどの要素を加えて、体力がなくても楽しめるようにしています。今回も小さいお子さんから70代の女性まで、幅広い層の方々にご参加いただきました。須坂には魅力的なスポットがたくさんありますが、マップ制作時には『地元の人はこんなに歩かないよ』とも言われました。たしかにスタート地点から一番遠いCPまでは約50分も歩きっぱなし。でも、歩くからこそ街並みの細かい変化に気づけたり、チームメイトとの何気ない会話が弾んだりしますよね。そんな歩きながらの道中で生まれる「発見」や「コミュニケーション」こそが、ロゲイニングの魅力だと考えています」

PROFILE

<大久保翔平さんプロフィール>
神奈川県川崎市出身の32歳。24歳の時に友達と行った初キャンプをきっかけに「都会では味わえない大自然」に魅了されアウトドアに目覚める。現在、株式会社イーシーナ アウトドア事業部部長として、「なぞときFUNロゲイニング』や日本初のテントサウナブランド「GEOTHERMA』を展開している。