今回のウォーキングでは下町の風景が残る町・千住で江戸時代の俳人・松尾芭蕉ゆかりの地をめぐります。北千住駅から歩いて「千住仲町公園」に立ち寄ったら、『おくのほそ道』の起点となった橋の袂で記念碑を見学。『おくのほそ道』とは、松尾芭蕉が弥生も末の七日に千住を出発し、東北をぐるりと巡ってから岐阜県大垣市までくだった旅を綴った旅行記です。次に歌川広重が浮世絵にも残した千住大橋を渡って、松尾芭蕉ゆかりの神社「素盞雄神社」（スサノオ神社）へ。ここまで来ればゴールはすぐそこ。南千住駅までの約4㎞のウォーキングコースです。

【スポット①】桜やチューリップを見ながら「千住仲町公園」で昼食を

北千住の駅を出て商店街を15分ほど歩いたら「千住仲町公園」に到着。春には桜やチューリップを楽しむことができる穴場スポットです。ベンチも多数ありますが、複数人で行くときはレジャーシートを持って行けば、ゆったりくつろげるのでおすすめです。商店街で昼食をテイクアウトして青空の下で食べればきっと格別な味わいでしょう。

「千住仲町公園」のある千住河原町にはかつて「やっちゃば」と呼ばれる問屋街があり、青物問屋が多数店を構えていました。今でも各家の前に屋号が書かれた表札をかけた家がたくさん。探しながら歩いてみてください。

次の目的地「千住大橋公園」までの道のりで、土蔵を利用したレトロなギャラリー「千住宿歴史プチテラス」や松尾芭蕉像などのスポットに立ち寄るのもおすすめです。

【スポット②】おくのほそ道はじまりの地へ！

歴史を感じる住宅街を抜けて約10分ほど歩くと、北千住と南千住を結ぶ橋、北千住大橋が見えてきます。橋の手前まで行けば、２つめの目的地である「大橋公園」に到着です。目印は、入り口にある「奥の細道 矢立初めの地」と書かれた碑。矢立初めとは、旅行記の書き始めのことです。

おくのほそ道では、「千住といふ所にて舟を上がれば、前途三千里の思ひ胸にふさがりて、幻のちまたに離別の涙をそそぐ。　行く春や鳥啼き魚の目は涙　これを矢立ての初めとして、行く道なほ進まず」と、松尾芭蕉が親しい人に別れを告げ、後ろ髪を引かれる思いで旅路についた旨が俳句を交えながら書かれています。

【スポット③】隅田川最古の橋「千住大橋」を渡ろう

公園を出て歩くとすぐに見えてくるのが、青いアーチが特徴の「千住大橋」。約400年前に架けられた隅田川最古の橋です。何度か架け替えられ、昭和に入ってからは鉄筋コンクリートの橋となりました。歌川広重が浮世絵の題材にも使用しており、浮世絵を見ることで当時の情景を知ることができます。橋が架けられた当初は、大きな橋がなかったことから単に「大橋」と呼ばれていましたが下流にも橋が架けられるようになり、今の千住大橋という呼ばれ方になったそう。橋の上部にある「大橋」のプレートは、400年にわたる千住の歴史を今に伝えます。

【スポット④】「素盞雄神社」で厄災除け祈願

千住大橋を渡って約3分、ついに最後のスポット「素盞雄神社」（スサノオ神社）に到着！ 創建は平安時代と古く、1200年もの歴史を誇る由緒正しい神社です。神社の名前にもなっている、スサノオノミコトは『古事記』や『日本書紀』にも登場する神様。身に降りかかる悪いことを、荒々しい程の力で祓い清める災厄除けの神様です。

お参りを済ませて、社殿の隣に目を移すと、『おくのほそ道』矢立初め（旅たち）の一句を刻んだ句碑（区指定文化財）があります。

句碑までは千住大橋を模した橋が架けられ、その手前で松尾芭蕉になりきれる笠と杖を借りることができます。江戸の旅人になりきって、記念撮影をしてみてはいかがでしょうか。

素盞雄神社を出て、10分ほど歩けばゴールの南千住駅です。千住には歴史や史跡について説明パネルが多数あるので、道中読みながら歩けば歴史に詳しくなれるかも。また、旅の思い出に松尾芭蕉に倣って今回の散歩に関した句を詠んでみてはいかがでしょうか。

千住仲町公園
住所：東京都足立区千住仲町28番1号
電話：03-3880-5845（足立区公園管理課南部公園係）

大橋公園
住所：東京都足立区千住橋戸町（千住大橋北詰）
電話：03-3880-5845（足立区公園管理課南部公園係）

素盞雄神社
住所：東京都荒川区南千住6-60-1
電話：03-3891-8281
無休
HP：https://susanoo.or.jp/

相沢直美
福井県出身。タレントとして、テレビ･映画･CMなど幅広く活躍。主な出演作品は、CM『日本臓器製薬「ドライノーズスプ
レー」』,WEB『フーチャーラボ「ホワイトディアマンテ」』、スチール『株式会社ジモス「Coyori」』他。又Beauty Look Lesson～美しい表情の作り方～の講師も務める。