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靴のプロフェッショナルが教えるTIPS集
SHOES MASTER’S VOICE
Vol.2 悩み別シューズケア相談 
―革靴の時短お手入れー

#TIPS 2023.09.29

タイパ重視のあなたのために、
ミニマムなケア方法を

人が快適に「歩く」ためのシューズをビジネス、フォーマル、カジュアルなどのシーン別に提案しているASICS WALKING。そんな靴選びのプロフェッショナルが靴にまつわるノウハウをレクチャーする「SHOES MASTER‘S VOICE」。第2回目は「革靴の時短お手入れ」です。お気に入りの靴を長く履くためにシューズケアは欠かせません。「お手入れって難しそう…」「汚れてからどうすればいいの?」「どうしたらツヤが出るの?」など、履く人によって悩みはさまざま。定期的にお手入れすることで、歩きやすさも美しさもキープできるのです。お悩み別シューズケア相談、まずは革靴の時短お手入れをレクチャーします。現代を生きるすべての忙しい人、面倒くさがりな人のために。

この3つの工程さえ覚えておけば大丈夫

「タイムパフォーマンス」、略して「タイパ」という言葉が「今年の新語 2022」の大賞を受賞しているように、Z世代を中心に、時間的な効率を重視する生活習慣が当たり前になりつつあります。動画の倍速視聴はまさにタイパ意識の表れ。そんな時間がなくて忙しい、あるいはとにかく効率重視の人のために、革靴の時短お手入れをご紹介します。

革靴のお手入れには専用のケア用品が必要、かつ複数の工程から成り立っていることから、「革靴のお手入れって難しそう……」という印象を持っている人は少なくないかもしれません。でも、ケア無しではせっかく選んだ靴の寿命も短くなってしまいます。そこで今回は、もっともプロセスが少ないミニマムなアプローチをレクチャー。この3つの工程さえ覚えておけば、きっと時短派のあなたにとって、シューズケアのハードルがグッと低くなるはず。

STEP1:指先を使って、汚れを落とすべし

まずは、表面の「汚れ落とし」から。できれば馬毛のような目の詰まったやわらかい毛質のブラシを用意しましょう。汚れ落としはホコリを落とす程度なので、ゴシゴシと勢いよく表面をこすらないこと。ブラシの毛を寝かせて、さっと撫でるようにブラシを使うことがポイントです。

ブラシでホコリを落としたら、次はクリーナーの出番です。ポイントは合計3カ所、先芯が入っているつま先ヒールの左右に付けて、布を使って全体に馴染ませていきます。クリーナーを塗るための布はタオルのようなパイル地よりも、ウエスのような表面が平らなものを使いましょう。

ここで重要なのは、人差し指と中指の指先に布を巻くこと。指の温度が伝わりやすいので、クリーナーも伸びやすいです。グッとつまみながらシワにならないように、クリーナーを伸ばします。ブラシで馴染ませたら、汚れ落としは完了です。

STEP2:どうして豚毛のブラシを使うの?

2番目の工程は「保湿」と「ツヤ出し」です。ヒトに例えると、保湿は「栄養補給」でツヤ出しは「お化粧」。クリーナーと同じ3カ所にクリームを付けて、ブラシで全体にまんべんなく塗っていきます。

ここでもブラシを使いますが、なるべく馬毛ではなく豚毛のタイプを使ってください。なぜ豚毛のブラシがいいのか? その理由は、硬めでコシがあるため、スムースレザーへのクリームの塗り込みや馴染みに適しているから。実際に使ってみると、馬毛と豚毛の違いを理解できますが、2種類のブラシを使い分け続けていると、仕上がりに違いが出てきますよ。豚毛のブラシは毛が硬いので、毛を立たせたままこすりましょう。

STEP3:防水スプレーは屋外が鉄則

3つ目、最後は「防水スプレーの吹きかけ」です。防水スプレーを使うとき、注意してほしいのは、かならず風通しのいい屋外で、マスクなどを着用し吸い込まない様に使うこと。防水スプレーにはフッ素樹脂が含まれているので、もしも大量に吸い込んだ場合、のどの痛みや呼吸困難などを起こしてしまうことがあります。「屋外だから安全!」と、決して安心しないように。

スプレーのコツは革靴から20~30cmくらい離すこと。適度な距離があることで、革靴の表面全体にスプレーが行き渡っていきます。吹きかけて15分ほど乾かしたら、かならず乾拭きしてください。クリーナーとクリームによる光沢が復活します。

before

after

以上が革靴のお手入れ、時短バージョンでした。土埃が付いて汚れていた革靴もこのとおり。「身だしなみ、オシャレは足元から」という言葉がありますが、特に革靴はお手入れをしなければ経年劣化しやすく、見た目の美しさだけでなく歩きやすさも失われてしまいます。でも、これらのケア用品さえあれば大丈夫。まずは最小限のシューズケアから試してみてください。次回は「靴のニオイ対策」をお届けします。

(右)コロンブス 防水スプレー アメダス 420ml 2,200円

(中央)コロンブス 磨きクロス(2枚入り)550円

(左上段)コロンブス ジャーマンブラシ2 (馬毛) 1,650円

(左中段)コロンブス ジャーマンブラシ6(豚毛) 880円

(左下段の水色チューブ)コロンブス500 革用汚れ落とし クリーナー 550円

(左下段のシルバー容器)コロンブス ブートブラックシルバーライン ビン入り靴クリーム 靴墨 乳化性 シュークリーム 990円

PROFILE

甲田愛子
アシックスウォーキング 渋谷 店長
2012年、アシックスジャパン株式会社に入社。以来、ウォーキング事業部でリテールを担当。地元である横浜を皮切りに店舗スタッフとして、アシックスウォーキング 横浜、鶴見、自由が丘に勤務。店長として、アシックスウォーキング 蒲田、自由が丘を歴任し、現在はアシックスウォーキング 渋谷の店長を務めている。
Photo:rai
Edit+Text : Shota Kato(OVER THE MOUNTAIN)