RUNWALK|攻殻機動隊 開発者に聞く異色コラボの誕生秘話
RUNWALK|攻殻機動隊
DEVELOPER INTERVIEW
開発者に聞く異色コラボ誕生秘話

#Technology 2021.12.09

RUNWALK|攻殻機動隊 開発者に聞く異色コラボの誕生秘話

ASICSを代表する高性能ビジネスシューズRUNWALKと、世界的に人気を集めるSF作品「攻殻機動隊」が異色のコラボレーション。登場したのは、作品の世界観に着想を得た近未来的なデザインの4モデルだ。その誕生秘話を、開発メンバーの一人であるアシックス社員が語った。

大作SF×走れるビジネスシューズ 異色コラボの裏側

今回のコラボレーションが決定した時の率直な感想を教えてください。

つい「すごいな」と他人事のように呟いてしまったのを覚えています。1995年に公開された映画が今でも根強い人気を誇っていたり、Netflixの映像作品『攻殻機動隊 SAC_2045』が世界的にヒットしていたりといった情報は知っていましたが、そんな大作とRUNWALK がコラボレーションするとは想像したこともなかったですから。

攻殻機動隊という作品の魅力は何だと思いますか?

科学技術が発達して“義体”が普及した世界というユニークなテーマです。他のSF作品とは異なる奥深さがあり、世代を問わず楽しめる作品だと思いました。1990年代にスタートしたSF作品ですが、若い方からお年を召した方まで、世代や性別を問わずファンが多いところがその証拠ではないかと思います。

商品化が全く想像できない状態からのスタートだったとのお話ですが、どのようにプロジェクトを進められましたか?

開発チームには作品のファンが多かったので、何度も話し合いを重ねながら少しずつ具体性を持たせていきました。大変だったのは、作品が持つ近未来的な世界観とRUNWALK らしさを両立することです。ディテールを増やしすぎると、RUNWALK が大切にしている日常生活での履きやすさが損なわれますし、シンプルな作りにするとコラボレーションの特別感がなくなってしまいますから。何度もデザインを考え直しながら、バランスのとれた商品像に近づけていきました。

RUNWALK|攻殻機動隊 開発者に聞く異色コラボの誕生秘話

公安9課の“勝負靴”をASICSの技術で

今回のコラボレーションでは4種類のモデルがリリースされました。それぞれの特徴やこだわった点について詳しく教えてください。

まずRUNWALK MB214HX 3Eは、光の当たり具合や角度によって見え方が変わる反射素材を採用したスニーカーです。劇中で主人公の草薙素子が敵から身を隠すために使う光学迷彩を表現しました。アッパーはハニカム構造になっているのですが、実は生産するのにとても繊細な技術が求められるので、生産チームや工場と何度も調整を繰り返しています。また、今回リリースしたすべてのシューズに共通するのですが、ソールやバックルなどには劇中で草薙素子の瞳が赤くなるシーンに着想を得て、ワンポイントで赤色を取り入れています。

ブーツタイプのRUNWALK MB215HX 3Eは、草薙素子が戦闘時に着用するイメージでデザインしました。彼女は警察と自衛隊を組み合わせたような役割の「公安9課」に所属しているので、いつでも機敏に走り回れるような工夫を随所に取り入れています。例えばスムーズに着脱できるようにシューレースを通す金具を可動式にしたり、着用時の肌触りを意識してアッパーにベロア素材を採用したり、といった具合ですね。RUNWALK史上初のブーツというのもポイントです。

RUNWALK|攻殻機動隊 開発者に聞く異色コラボの誕生秘話

次は草薙素子の同僚であるバトーがドレスアップしたシーンをイメージしたRUNWALK MB216HX 3E。ダブルモンクストラップというクラシカルな革靴のディテールを採用していますが、それだけだと攻殻機動隊の世界観と合わないので、近未来的なデザインのマグネット式バックルを配置しました。ワンタッチで着脱できますが、履いている途中は脱げにくいので、劇中のように激しく動き回ることもできます。革靴のドレッシーさとスニーカーの履き心地を両立した、RUNWALKらしさを最も感じていただける一足だと思います。

最後はハイヒールタイプのRUNWALK WB072HX 2E。ヒールを高めにしてポインテッドトゥを採用することで、劇中では戦闘が中心で「少佐」と呼ばれているイメージが強い草薙素子の女性的な側面を表現しました。また、かかと部分に入っている公安9課のロゴもポイントです。日本が舞台の攻殻機動隊と日本のブランドであるアシックスのコラボレーションなので、日本らしさを取り入れたいという思いから、京都の伝統的な技法で染色しています。

RUNWALK|攻殻機動隊 開発者に聞く異色コラボの誕生秘話

シューズ以外にもこめられた特別感へのこだわり

「攻殻機動隊 SAC_2045」のキャラクターデザインを手がけたイリヤ・クブシノブ氏による描き下ろしイラストも見どころです。

公安9課のアクティブさや草薙素子の女性らしさといったアイテムごとのコンセプトを分かりやすく表現していただけました。これにより、今回のコラボレーションの特別感が一層高まったのではないかと思います。イラストのラフが上がってきたときは、自分が手がけたシューズが作品の一部になったようでうれしかったですね。

商品が入っているシューズボックスにもこだわりを感じられます。

公安9課のアクティブさや草薙素子の女性らしさといったアイテムごとのコンセプトを分かりやすく表現していただけました。これにより、今回のコラボレーションの特別感が一層高まったのではないかと思います。イラストのラフが上がってきたときは、自分が手がけたシューズが作品の一部になったようでうれしかったですね。

今回のコラボレーションはどのよう方に履いてほしいですか?

RUNWALKのことを知らない攻殻機動隊ファンの方にはぜひ手にとって欲しいです。これまでも「走れるビジネスシューズ」にこだわって製作をしてきましたが、まだまだその存在を知らない方は多いですから。このコラボレーションを通して、RUNWALKの履き心地やデザインといった魅力にも気付いていただけたらうれしいです。

RUNWALK|攻殻機動隊 開発者に聞く異色コラボの誕生秘話