#STYLE 2022.07.22
歩き慣れた道、いつもと同じ町も、フォトグラファーたちが切り取ると違った世界が見えてくる。 まるで新しい場所を旅するように、世界を拡げてくれる写真の数々を。
Takahashi Sogen
高橋 草元
大学ではデザイン工学を学ぶ。プログラミングを軸にデザイン的な思考を学ぶ一方でフィルムカメラを毎日持ち歩きながらスナップを撮影、暗室の中でモノづくりに触れる。
実験にも似たアナログ的なアプローチを加えながら、現実の中にある刹那的で美しい一瞬をとらえること。スタジオでもスナップ撮影で出会ってきた、自分の心が動く瞬間を緻密に再現するなど、人物撮影や物撮りなど被写体を隔てることなく活動している。
https://amana-visual.jp/photographers/Sogen_Takahashi
仕事柄、いろいろな人たちとさまざまな場所へ撮影に出かけます。
今回はロゲイニングの取材記事に関連して、千葉県にある養老渓谷周辺を訪れました。
僕はカメラを持って、ただひたすらに歩きまわりながら、撮るべき瞬間や場所を丁寧に探り切り取っていきました。
ここでは実際に記事に使用される写真を撮影する合間に撮影した、ふと僕が心惹かれた景色を紹介したいと思います。
写真を撮る仕事をしていると、カメラを初めて持った時のワクワク感や直感的にシャッターを切るということをつい忘れてしまう時があります。
だから今回は、自分の素直な撮りたいという気持ちだけで撮影しました。
写真を見返してみると、僕は変化のないものよりも刹那的なものに対して美しさを感じ、その瞬間をカメラに収めているのだと再認識できました。
岩に落ちる木漏れ日の光や、揺れる水面に写った木々。
次の日同じ場所で撮影したとしても、同じ表情は二度と現れないもの。
だからこそその時出会った一瞬を永遠のものとして残したい、そういった気持ちで撮影した写真たちです。