定住旅行家ERIKOさんが語る 歩く速度だから見えるもの|  “歩く旅”の愛好家に聞く Vol.2

定住旅行家ERIKOさんが語る
歩く速度だから見えるもの|
“歩く旅”の愛好家に聞く Vol.2

There are always things you start to see when time flows slowly.
Find new sceneries, smiles of children, and maybe something new about yourself.
Discover something special in this changing era. Let’s walk. Step by step.

WELL-BEING 2021.08.05

世界中の国で暮らす「定住旅行」の魅力と、
足で歩くことで出会えた人たち

PROFILE

鳥取県米子市出身。モデル・定住旅行家。東京コレクションでモデルデビュー。 モデル活動と並行し、「定住旅行家」として、世界のさまざまな地域で現地の人びとの家庭で生活をともにし、その暮らしや生き方を伝えている。これまで定住旅行した国は、ラテンアメリカ全般(25カ国)、ネパール、フィンランド、ロシア、サハ共和国、ジョージア、イタリア、イラン、北海道利尻島、三重県答志島など。

東京コレクションでデビューして以来、モデルとして活躍。近年は「定住旅行家」として世界中を飛び回るERIKOさん。今回は「定住旅行」だから感じられる旅の醍醐味や、歩くことで見える世界のワクワクについて、「ペダラトラベルシリーズ」を体感いただいた感想とともに伺いました。

定住旅行と、歩くことの関係

定住旅行と普通の旅行との違いとはなんですか?

私がライフワークとしている「定住旅行」は、現地の日常を見に行くことを主体にしている旅のことです。ですから、観光やグルメといった「非現実」を体験しに行く、一般的な旅行とは真逆のものになります。
ホテルなどの宿泊施設も一切使わず、現地の家庭にホームステイ。
ホストファミリーの斡旋会社なども経由せず、知人のつてを頼ったり、時には大使館の職員さんに相談するなどして(笑)、いい意味で「ホストファミリー慣れ」していないご家族にお世話になっています。
旅行中も基本的に観光はせず、その家のお父さんの職場を見学しに行ったり、お母さんの家事を手伝ったり、お子さんがいれば学校に一緒に行ってみたり…。
そうやって、ひとつの家庭で短くても10日間〜2週間、1ヵ国あたり1〜3ヵ月は滞在することで、その国の「暮らし」を徹底的に掘り下げることをテーマにしています。

旅先で「歩く」ということを重要視していますか?

はい。車があっても、あえて歩いて出かけることもあります。歩く速度だからこそ、見えること、出会えることは多いと思います。今年最初の定住旅行はパラオでしたが、パラオはタクシーや路線バスなどの公共交通機関がほとんどない上に、街自体も小さいのでよく歩いていました。

「歩く」ことで、具体的にどんな「ワクワク」がありましたか?

パラオに関して言えば、花ですね。ジャングルみたいなところで、珍しい花がすごく咲いているので、見ているだけでワクワクしました。でも、現地の人に「これはなんという花ですか?」と聞いても、「知らないよ」と言われたり(笑)。そんなおおらかさも楽しかったです。

1年半に及ぶ中南米一周が私を「定住旅行家」にした

最も印象深かった定住旅行先と、その旅が与えた影響とは?

2012年から1年半ぐらいかけて、中南米25カ国を一気に旅したことです。この旅が「定住旅行家」となったきっかけですので、私の人生においては大きな出来事でした。

そもそものきっかけは、25歳でアルゼンチンへ語学留学したことです。
現地では「貧しくとも助け合う」という精神が息づいていて、魂を揺さぶられるような経験を何度もしました。
けれど、日本人にとってアルゼンチンは「危ない国」といったイメージですよね。そこで、アルゼンチンに限らず中南米を自分ですべて巡ることで、お互いの架け橋になれたら…と思ったことが始まりでした。

準備だけでも1年がかりでしたが、やっぱり行ってよかった。コロンビアでは「お金は自分のためでなく、自分を幸せにしてくれる周囲の人のために使う」という価値観に心が震え、ブラジルでは人間関係の豊かさに感動。キューバの人たちは、「生活が大変だからこそ、笑顔で過ごす」ことを私に教えてくれました。

そして、パナマにあるサンブラス諸島の「クナ族」の集落では、私が島に上陸した初の外国人に! それでも、人との繋がりを大切にするラテンアメリカの気質でしょうか、皆さん歓迎してくれました。でもここは、公衆電話が一台あるだけの島。当然、インターネットなどありません。お別れの際、「ここの人たちとはもう二度と連絡はとれないんだ」と切なくなりました。一方で島の人は「星はいつも空にあるから、見上げるたびにERIKOを思い出すよ」と──。
私たちの生活からは思いもよらない、人との繋がり方。だから私も、今でも星空を見上げると、自然とクナ族の家族を思い出します。

この長旅を経て、定住旅行が私のライフワークになりました。

ペダラトラベルシリーズで体感する「心地よい歩き」

旅先でペダラトラベルシリーズ を着用した感想はいかがですか?

ペダラトラベルシリーズはパラオで履いてみたのですが、本当に軽いですね。ホワイト、シルバー/P、クラシックレッドと3色持っていきましたが、スーツケースの重量にもさほど影響せず…なんでこんなに軽いんだろう。不思議(笑)! 
それから、作りがとても立体的なことにもびっくり。岩場で履いたのですが、ソールもしっかりしていました。ただ軽いだけでなく、足にフィットするので足にやさしいのも魅力です。カラーも豊富なので、旅先で歩く楽しみが増えそうです。

最後に、定住旅行の魅力についてメッセージをお願いします。

私は、その国の本当の魅力は、地元の人の暮らしの中に存在していると思っています。
ですから、観光目的の旅行でも、地元の方が行くようなレストランを覗いてみたり、地元の方と交流できるような場所を訪れてみていただけると、いつもの旅がもっと立体的に楽しめると思います。
私自身はというと、まだ見ぬ場所へ旅することも続けつつ、最近では一度行ったところを再訪したいとも思っています。
「ERIKOがまた帰ってくるまで、長生きするね」と言ってくれている、世界中のおばあちゃん達に会いたいからです。

世界中に「また帰ってくるね」と言える家族ができる────それが、「定住旅行」最大の魅力かもしれません。