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歩く、話す、見つける、
とっておきの街歩き。
SANPO TALK
#21 母と子で巡る、淡路島の日常

#WELL-BEING 2024.08.30

歩く、話す、見つける、
とっておきの街歩き。
SANPO TALK -淡路島・一瀬友香子編(アシックス商事 事業戦略チーム)-

※2024年6月時点の取材内容で構成しています。

その街をよく知るナビゲーターがおすすめの散歩コースを紹介しながら、自身のウォーキングスタイルについて語る連載企画「SANPO TALK」。第21回は、アシックス商事の事業戦略チームで働く一瀬友香子がナビゲーター。つい先日、育休から復帰したばかりという彼女が長女を連れて、自身が生まれ育った淡路島の日常を散歩します。

今回の舞台となるのは、兵庫県に属する淡路島です。島とはいうものの、淡路市、洲本市、南あわじ市という3つの市を内包する、瀬戸内海でもっとも大きい島。真ダコやハモなどの海産物や、たまねぎやレタスといった農産物の名産地としても知られています。

そんな淡路島を案内してくれるのは、アシックス商事の事業戦略本部で働く一瀬友香子。今年の4月に次女の育休を経て職場復帰したばかりという彼女にとって、淡路島は自身が生まれ育った町であり、現在も家族と一緒に暮らす地元でもあります。

「今日案内するのは、私が普段訪れているお店やスポットです。せっかくの機会なので長女も連れていきますね」

一瀬の長女は今春に小学校に入学したばかりのピカピカの1年生。この日は久しぶりにママを独り占めできるとあってか、すでに表情はにんまり顔。

さて、今日の散歩のスタート地点となったのは、2003年創業の「ブランジェリー フルール」です。実はここ、一瀬ファミリー行きつけのパン屋さんなんだとか。

「イートインスペースがあるので、育休期間中は次女としょっちゅう足を運んで朝ごはんを食べてたんです」

ブランジェリー フルールは、地産地消と無添加、そしてもちろん美味しさにこだわりながらも、100種類以上ものラインアップとリーズナブルな価格で、地元民からも愛される名店です。

「私のまわりにも通っている人が多いんですよ。食パンから菓子パンまで、我が家のパンはいつもここなんです」

軽くお腹を満たしたら海方面へ歩くこと数分、次の目的地である「菓子屋 泡沫(うたかた)」に到着しました。

「このお店はたまたまインスタグラムで見つけたお店なんです。我が家にゲストを呼ぶとき、友人のおうちにお邪魔するときなど、どんなシーンでも泡沫のシフォンサンドは喜ばれますね。言うなれば我が家の“ハレの日”のスイーツなんです」

「泡沫」とは水面に浮かぶ泡のことを指しますが、実際にシフォンサンドをいただくと、そんな店名どおりとろけるような食感と、なめらかなクリームの口どけが味わえます。家族へのお土産を購入したら早速次の目的地へ。どこからかやってくる潮の香りが、海に近付いていることを感じさせます。

「実はここ、初めて通る道なんです。次の目的地までの最短距離を歩くとクルマの多い国道脇を通ることになるんですが、ここなら海沿いをのんびり散歩できるかなと思って」

そんな一瀬の予想は見事的中。目の前には突き抜ける青空と見渡す限りのオーシャンビューが広がっていました。そして人もクルマもほとんどいない静かな通りを、おしゃべりしながら歩きます。

次なる目的地の「塩浜公園」が見えてきました。奥にそびえたつのは、公園のアイコンともいえるサンシャインブリッジ。一瀬ファミリーの週末御用達の公園というだけあって、勝手知ったる様子で遊具に向かって駆け出していきました。

「塩浜公園は数えられないぐらいよく来ています。目の前のサンシャインブリッジは、日の出スポットとしても有名なんですよ」

公園で少し遊んだ後は、サンシャインブリッジを渡ったすぐ先にある「浦県民サンビーチ」へと向かいます。道中、一瀬に普段の散歩について伺ってみました。

「子どもが生まれる前はよく歩いていましたね。散歩は私にとって、自分と向き合える貴重な時間。でもここ数年は散歩を目的に歩くことが少なくなりましたね」

結婚、妊娠、出産とライフステージが移り変わるにつれて難しくなる時間の確保。そんななか数カ月前に長女と2人っきりで歩く機会があり、散歩の良さを再確認したのだそう。

「長女が小学校に入学する直前に彼女の通学路を一緒に歩いたんです。いつもクルマで通っている道のはずなのに、牛を飼っている家を偶然見つけたり、面白い建造物があったりと発見だらけでした。何よりうれしかったのは、長女と色んな話ができたこと。ここのところまだ手の掛かる次女が生活の中心になりがちだったんですが、長女と久しぶりにしっかりと向き合うことができたんです」

いよいよ2人は最後のスポット「産直市場フローラルアイランド」へと向かいます。いわゆる農産物直売所ですが、これまでのスポットと同じく、ここも一瀬が普段から通っているお店だそう。

「最近は観光客の方も多くいらっしゃるようになりましたが、我が家にとっては日常的に足を運ぶ場所であり台所でもあるんです(笑)。リーズナブルで新鮮なものがいつでも手に入るので本当に重宝しています。買うものはそのときどきですが、値札についている生産者の名前を見て指名買いすることもあるんですよ」

今日紹介した散歩コースは、いつもならすべてクルマで訪れる場所だそうですが、それらをつないで完歩したことで一瀬の長女もどこか誇らしげな表情。ご褒美のソフトクリームに「おいしい!」と言いながらさらに顔をほころばせます。

「淡路島には山もあって海もあって、子育てには本当にいい環境だと思うんです。私も進学や結婚で実家を出る前までは気付きませんでしたが、離れてみて島の良さを実感しました。子どもたちもいつかこの景色と、この町のすばらしさに気付いてくれるといいですね」

歩きながら、しゃべりながら、時には寄り道もして。距離にすればわずか数kmではありましたが、今日の散歩は2人の記憶にもしっかりと刻まれたに違いありません。

ブランジェリー フルール
住所:兵庫県淡路市久留麻1893-8
電話:0799-74-3993

菓子屋 泡沫
住所:兵庫県淡路市久留麻2178

塩浜公園
住所:兵庫県淡路市浦41-7

浦県民サンビーチ
住所:兵庫県淡路市浦670

産直市場フローラルアイランド
住所:兵庫県淡路市浦642-1道の駅東浦ターミナルパーク内

PROFILE

一瀬友香子(いちのせゆかこ)
小中高ではバレー、ソフトテニス、硬式野球(マネージャー)を経験し、大学では国際ボランティアのサークルに加入して、居住問題解決に向けた東南アジアでの家建設活動のプロジェクトにも参画。アシックスへの入社は2012年で、二度の産休・育休を経て今年職場復帰したばかり。現在、事業戦略本部でブランドのマーケティングを担当している。
Photo : Kohei Watanabe
Edit+Text : Teruyasu Kuriyama(Harmonics inc.)