人が快適に「歩く」ためのシューズをビジネス、フォーマル、カジュアルなどのシーン別に提案しているASICS WALKING。そんな靴選びのプロフェッショナルが靴にまつわるノウハウをレクチャーする「SHOES MASTER’S VOICE」。第12回目は「ハイシャインで鏡のような輝きを」です。部分的にワックスを使って磨き上げて、鋭い光沢のトーンを出すハイシャイン。革靴のつま先やかかと部分がキラリと光ります。革靴愛好家にとって憧れのお手入れ方法ですが、道具とコツさえ掴めばカンタン。ハイシャインのポイントをレクチャーします。
輝きのポイントは適量のワックスと水
革靴の表面を輝かせるハイシャイン。革靴好きの方の足元を見ると、艶やかに輝いていることが多いですが、靴磨きの専門店に持ち込まなければいけないと思っている方も多いかもしれません。実は、自分でも鏡のような輝きに磨き上げることができるんです。
まずはハイシャインに必要な道具をご紹介します。革靴に光沢を与えるワックスクリームはニュートラルな無色のタイプが汎用的ですが、黒、茶色などの革靴の色に合わせたカラータイプを選ぶのもよし。ブラシは馬毛のものを使って汚れを落とし、布にワックスクリームを塗ってハイシャインを仕上げていきます。
では実際にハイシャインをやってみましょう。ブラシで表面の汚れを落としたら、愛用の革靴を美しい光沢で彩っていきます。ハイシャインをつくる個所は主につま先ですが、好みによってかかともOK。靴のシルエットをキープする芯材が入った丈夫な部分に、布を指に巻き付けながらワックスを塗り込んでいきます。
ワックスは薄く塗ることがポイント。たっぷり付けると靴の表面が白くなってしまうので注意しましょう。ワックスを水で溶かしながら塗っていきますが、水は多すぎず少なすぎずの丁度いいボリューム感が重要です。表面が乾くとワックスが溶けにくくなるので、あまり時間が立たないうちに水を付けて馴染ませてください。この作業をひたすら繰り返していくことで鏡のような輝きが生まれるんですね。
光沢をつくるだけでなくキズも付きにくくなる
ASICS WALKINGの店頭で、お客様から「何回繰り返せばいいんですか?」と質問をいただきますが、回数の目安はありません。ご自身が満足する輝きになるまで続けてください。ちなみに、ハイシャインはただ靴に光沢をもたらすファッション的な効果だけではないんですね。靴の表面がワックスでコーティングされるので、キズが付きにくくなります。ワックスによっては、より輝きを際立たせられるものもあるので、好みのものを試してみてください。ハイシャインした部分にかからないように、防水スプレーで仕上げを忘れずに。
時間を忘れて没頭できるのもハイシャインならでは。週末や休日など、時間があるときに取り組んでみてください。無になれる瞬間があるので気分転換としてもオススメ。最初のうちは表面がザラついたりワックスが白く残ったりするかもしれませんが、店頭でもハイシャインのポイントをお伝えできますので、お気軽にお声がけくださいね。次回は「靴のプロが教えるフィッティングのポイント」をお届けします。
PROFILE
アシックスウォーキング 八重洲地下街 店長
2012年、アシックスジャパン株式会社に入社。以来、アシックスウォーキングでリテールを担当。地元である横浜を皮切りに店舗スタッフとして、アシックスウォーキング 横浜、鶴見、自由が丘に勤務。店長として、アシックスウォーキング 蒲田、自由が丘、渋谷を歴任し、現在はアシックスウォーキング八重洲地下街の店長を務めている。
Edit+Text : Shota Kato(OVER THE MOUNTAIN)