子どもたちの足に、本当にいい靴を。<br>その想いだけで始まったスクスク。
スクスクと歩み続けた25年。
SUKU² INTERVIEW
ブランドを成長させたその想いとは。

#KIDS 2022.06.20

子どもたちの足に、本当にいい靴を。
その想いだけで始まったスクスク。

子どもたちの健康を願い、子どもの足を徹底的に分析、研究して誕生した機能性キッズシューズ「スクスク」。立ち上げ当時を知る人物として、元ウォーキング開発部スクスク企画チームの江島れい子にスペシャルインタビューを実施し、立ち上げから現在に至るまでの歴史や開発者たちの熱い想いを聞いた。

すべてが手探りの毎日。
絶対売れるという確信もなかった。

アシックスのキッズシューズ「スクスク」がデビューしたのは今から25年前の1997年。現在私は別事業部に異動していますが、立ち上げから異動までの23年間、スクスク事業に携わってきました。1997年当時は、ファッション性にこだわった子ども用ブランドスニーカーなどが少しずつ出てきてはいましたが、「すぐサイズアウトする子ども靴は、とりあえず履ければいい」という考え方が一般的。子どもの足を科学的に分析し、機能性をもたせたシューズはありませんでした。そこで私たちシューズ開発部では、大人用のランニングシューズで培ったノウハウを応用したキッズシューズ「スクスク」を立ち上げることを決意。正直なところ「絶対に売れる!」という確信まではありませんでしたが、「子どもたちの足に本当にいいシューズを作りたい」という想いでスタートした事業でした。

しかし、熱い想いで始めたものの当初は苦難の連続。子どもたちの足にやさしい製法にこだわり、機能性素材を盛り込んだスクスクはどんなに頑張っても4,000円程度の価格になってしまっていたのですが、当時は2,000円前後で買える子ども靴がほとんど。倍の値段に見合ったメリットがあることを、販売店や保護者の方々に丁寧に説明することから始める必要がありました。また、当時は子どもの足のサイズを正確に測ったり、足型を取るという仕組みもない時代。そこで私たちは自分たちで計測用のスケールを作り、百貨店を巡り、スケールの使い方からレクチャーを行いました。


土の上をはだしで走り回る感覚を。
スクスクのターニングポイントとなった「はだし化宣言」。

スクスクのターニングポイントとなったのは2000年。それまでは大人用のシューズのノウハウをキッズシューズに応用してきましたが、「子どもの足に特化したアプローチはないだろうか?」と考え始めました。そして日々模索する中で出会ったのが、グレン・ドーマン博士の「歩く、走るという基本動作をたくさん行うことで子どもの能力を発達させる」という考えでした。この考えに基づき、歩きやすさ、動きやすさにとことんこだわった「土の上のはだし」という開発コンセプトにたどり着きます。これを「はだし化宣言」と名付けてPRを実施。この頃から私たちの考えに賛同いただける方が増え、百貨店などにも専用のコーナーを設けてもらえるようになりました。以来、スニーカーだけでなく上履きやサンダルなどさまざまな製品をリリースしてきましたが、そのすべてに「はだしで走り回る感覚」というコンセプトが受け継がれています。

スクスク登場から25年。今では「子どもの足の成長には高機能シューズが欠かせない」という理解もずいぶんと定着してきました。当時スクスクを履いていた小さな子どもたちが親世代になり、「自分の子どもにもスクスクを履かせているんですよ!」といううれしいエピソードも聞きました。発売当時、まだまだ認知度がなかった時代に、仲間たちや百貨店のバイヤーさんたちと「スクスクを履いた子どもが運動が大好きになって、将来トップアスリートになってくれたらうれしいね!」と夢物語のように話していましたが、それももしかしたら現実になっているかも。そんな想像を膨らませるだけでとても心が躍ります。今は部署を離れてしまいましたが、スクスクは私にとって子どものような存在。このブランドを後輩たちがこれからも大きく育ててくれることを願っています。

PROFILE

元ウォーキング開発部スクスク企画チーム
現ヘルスケアチェック営業部 事業推進統括部
江島 れい子

アシックス入社後、シューズ開発部にてスクスクの立ち上げに従事。以来23年間、ブランドの成長を支え続ける。現在はヘルスケアチェック営業部に異動し、さまざまな企業に対して健康経営などのサポートを行う。