大切なのは、本物に触れること。自ら感じ、学んでいく、子どもたちの力を信じて 大切なのは、本物に触れること。自ら感じ、学んでいく、子どもたちの力を信じて
あの人に聞いた「やさしい生活」
MY ORGANIC STYLE
#02 造園家・グリーンプロデューサー 齊藤太一

#KIDS 2022.05.27

大切なのは、本物に触れること。自ら感じ、学んでいく、子どもたちの力を信じて

健やかな子どもの成長を願う親の想いは、いつの時代も変わらないもの。そんな親の想いを体現するように、子育てを楽しみながら家族への優しさにあふれる素敵なライフスタイルを送る人たちにスペシャルインタビュー。第2回は、4人のお子さんをもつ父であり、造園家でありランドスケープデザイナーとして活躍する、DAISHIZEN代表の齊藤太一さん。東京と山中湖の二拠点生活のなかで、植物のプロが実践する自然に囲まれた子育てとは? この春デビューしたスクスク「オーガニックコットンシリーズ」のレビューとともに、お話しいただきました。

細かいルールは一切なし。自由に楽しむ、都会と山でのグリーンのある生活

——自然に寄り添ったライフスタイルを提案している齊藤さんですが、ご自身は普段どのように、家族でグリーンのある暮らしを実践されていますか?

我が家にとって、グリーンがあることは日常。今は東京と山中湖の二拠点生活なのですが、東京の家は等々力渓谷のグリーンに囲まれていますし、山中湖にある家の敷地にも木々が多い。子どもたちとは一緒にメンテしたり、掃除したりしています。東京の家の屋上には小さな“キッズガーデン”を作って、子どもたちが、ブルーベリーやいちご、ハーブなど、好きなものをいろいろ植えてます。山中湖の家にはもう少し大きい菜園があって、それは僕が担当。きゅうり、トマト、レタスといった野菜を子どもたちと一緒に収穫して、料理していますね。

都会と山と。それぞれ微妙に違うんですけど、ただ共通しているのは、自由にやらせていること。あれこれ指示することは全くありません。だから、結構枯らしてますよ(笑)。でも、決めごとは、もう少し大人になってからでもいいかなあと。それより季節の変化とか、太陽や月の動きとか、そういうごく当たり前のことに気づける子どもであってほしい。たとえば、東京の家なら「今日は富士山がきれいに見えるね」とか「富士山に雪が積もったね」とか。そういうことに気づけないようなプレッシャーをかけることはしないようにしているんです。

ーー多い時は毎週末、山中湖の家に行くそうですが、自然の中で子どもたちはどのように過ごしていますか?

山中湖の家にはゲストファミリーが来ることも多くて。そうすると、子ども同士で遊ぶんですけど、朝6時半に起きてから、夜9時くらいまで、基本、野放し。テーブルにおにぎりなどのご飯や飲み物をずらっと用意しておいて、あとは自由。お腹空いたら食べればいいし、外で遊びたかったら遊べばいいし、うちに入りたかったら入ればいいし、ゲームしたいならすればいい。自分たちで決めなさい、と。

子どもは生まれた瞬間から1人の人間、生き物。適応能力もコミュニケーション能力も、最終的には自分で身につけなくてはならないもの。大人がルール、ルールと言っていろいろ押し付けると、結果、言われないと自分でできなくなってしまう人間になってしまうんじゃないかな。だから自分で決めさせるようにしています。

そもそも自然には答えがない。驚きや発見、未知なる出会いもいっぱいある。それを子どもたちが自分で見つけてほしいと思ってるんです。

本物の自然を見せれば、自ずと地球にやさしくなれる

ーー地球にやさしいこと、人にやさしいことは、子どもの未来を考えるうえで、必要不可欠な視点だと思います。齊藤さんご自身が実践されていることや、お子さんに伝えたいことはなんですか?

DAISHIZENという会社や、SOLSOという場所を作っていることそれ自体が、「地球にやさしいこと」に向かっています。テクノロジーが進化することで、素晴らしい世の中になっていくとは思うんですが、僕はそこには貢献できない。僕ができることで最も尊いことが、木を植えることだと思っています。木が炭素を補填して、地球本来の循環を手助けするのが僕の職業。「おしゃれ」とか「かっこいい」とか「珍しい」とか、そういう視点で見られがちですが、それは後からついてきたもので、初めから僕の仕事は「地球にやさしいこと」です。今は都市計画や商品開発もやらせてもらっていますが、関わるさまざまなプロジェクトが未来の子どもたちや未来の地球にどう貢献できるか、ということのためだけにやっています。

子どもたちには細かいことは言わないで、“本物”を見せるようにしています。うちは週末の山中湖暮らしの他にも、登山したり、海に行ったり、自然に行くことがとにかく多い。大きな自然を常に見ていると、何も言わなくても子どもに伝わるんですよ。たとえば、海にゴミが浮かんでいると、拾いますよね、そして「こういうのダメだよね」って。それで終わり。それで伝わっているんですよ。

ただやみくもに、ゴミは分別しなきゃ、と親が言っても、何がダメなのかわからず、全然自分ごとにならないと思うんです。本物を見せることで、自分ごととして考えることができるようになる。そうして能動性が養われる。それに尽きると思っています。

伝えたいのは、緑のおもしろさと小さな命の尊さ

ーーここ最近注目されている「緑育」という言葉ですが、齊藤さんご自身は、普段お子さんに対してどんな「緑育」を実践されていますか?

僕は幼稚園の園庭も作っていて、その際に意識していることでもあるんですが、子どもって、年齢ごとに五感で感じる要素が広がっていく。それに従って緑との触れ合い方も変わっていくんです。我が家の一番下の子(1歳)くらいだと、色を認識する年頃なんで、散歩しているときに「赤い花が咲いてるよ」などと、声をかけたりしています。もう少し大きくなると、葉っぱや木の幹を触らせて、「あ、ふわふわしてる」「やわらかい!」と感じてもらったり、「これ、レモンの香りがするから嗅いでごらん」「これは食べられるんだよ」と言ったり。さらに大きくなって体力、脚力がついてきたら、森に解き放って自分で感じてもらう。難しいことより、今は、とにかく緑のおもしろい部分を伝えるようにしています。あとは、緑もひとつの命なんだよ、ってこと。踏み付けたり、ぽきっと折ったりするのはかわいそうだよ。そんなシンプルなことを今は理解してくれればと思っています。

本物を長く大切に使うーーその姿を子どもたちに見せていきたい

ーーご自身、そして家族のファッションからライフスタイル全般まで、物選びの際に大切にしていることはなんですか?

本物素材を選ぶようにしています。本物素材というのは、素材感のある、長く使えるもの。なので、プラスティック素材のものは我が家にはないですね。あと、アンティークや民芸品が好きなんですが、それも、人の手や時間がかけられたもので、長く使っていきたいと思うものだから。子どもたちにもそういった本物に触れてもらいたいと思っているので、うちでは子ども部屋にもビンテージの家具を置いてます。もちろん、気をつけて使えよ、とは全く言わない。大人が本物を大事に使っているのを、子どもたちに見せて、自然と理解してもらえればと思っています。

ファッションに関しても、長く着られるものを買うというスタンス。昔はファッション関係の仕事もたくさんやっていたので、たくさんの服を買っていたんですが、今は、シンプルで長く着られるものしか手に取らなくなりました。

子どもたちは、基本、自分で服を選ぶんですよ。親は素材やデザインのセレクトに信頼を寄せているショップに子どもたちを連れて行くだけ。そこだけは手配して、あとは自分で選ばせています。子どもたち、それぞれこだわりが強いんで、自分らしい服を選んでますよ。

「スクスク」は子ども靴の選び方を変えてくれる、うれしい靴

ーーお子さんの靴はどう選んでいますか?

正直、子どもの靴って、あまり選択肢がないですよね。素材にこだわっている子ども靴もなかなかないですし。だから、雪山にはこれ、海にはこれ、という感じで、靴だけは用途に合わせて親が選んでいます。

そういう意味で、「スクスク」のオーガニックコットンシリーズは、子どもの靴に、素材で選ぶというひとつの選択肢を加えてくれたのが素敵だなと思います。子どもの靴でもそういう視点でものをつくってもらえるとうれしいですよね。素材だけでなく、子どもの足を考えてきちんと設計されているから、子どもたちも履いた瞬間から走り回っている。シンプルなデザインもいいですね。

PROFILE

岩手県生まれ。15 歳から独学で植物販売や造園を始める。2011年、株式会社DAISHIZENを設立。植物のプロ集団「SOLSO」代表として住宅や商業施設、オフィスなどのインドアグリーンやランドスケープデザインを手掛ける一方 、SOLSO FARMやSOLSO PARKといった、ライフスタイルに寄り添うグリーンを提案するショップやファームの運営などを手掛ける。
Photo:Atsushi Kawashima
Interview&text: Michiru Nishimura
Edit: Miki Ozawa(Fasu)

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